我が子を初めて見て

硝子越しに見た我が子は、まるで猿のように真っ赤な顔をしていました。それから、ぶちゃ顔っていったらいのでしょうか。とにかく人間の生まれたばかりの顔と言いますものは、物凄くけったいなものだなあ、と実感した次第でございます。お世辞にも「かわいい」なんて言えない。お爺ちゃんお婆ちゃんは、孫を可愛がるものでして、「どうしてそんなに可愛がるの?」とあるときカミさんがお母さんに訊ねれば、「だって、自分の子供じゃないから、責任ないからね」ですと。まあ、何となく分かるような気がします。もしもこれが自分の子供でしたら、その子のことを色々と考えてあげないといけませんからね。これは大変でございます。ですからあのときカミさんのお母さんが言った言葉、「とってもかわいい子だよ」というのは、責任のない言葉だったんですね。なるほど。それからなんやかんやで子供も大きくなりまして、私たちも結婚して今年で二十年目になります。いろいろありましたが、いまだに熟年離婚の危機的状況は訪れておりません。これからもこの生活を守って行きたいと思っておりますが。